放課後,隣の選択教室へ向かうと、すでに志之居君は窓際の席で何か本を読みながら待っていた。
 むしろ、隣の教室というのが、他の人らに見られそうで行きにくかったというのもあるんだけれども。
 そして、教室で受け取ったモノに、
「……なに,これ?」
 思わず、ぽんっと口から出てしまった。
 だって、真っ白の紙。裏にはよく分かんない言葉。どこの国の言葉か分かんないけど………
「おまじない…みたいなもの?」
「えっと……まぁ,近いけど……どちらかと言うと魔法かな」
「魔法?」
 聞き返すと,志之居君が困ったような仕種をした。