放課後の廊下
渡された地図を片手に、私は迷っていた
『瑞希、それ絶対やられるよ』
親友の言葉がリピートされる。
やっぱりやめたほういいのだろうか……
一先ず戻ろうと階段を降り始めた時
突然開いた一つのドア。
「生徒会室…?」
………あ。
地図に記された目的地は屋上…のはずなのに
そう思いつつ
ドアを開け出てきた人物に目を移す。
綺麗に染められ、所々跳ねた茶色い髪
黒縁の眼鏡を掛けているようだが
長く伸びた前髪に隠され目が見えない
これは…眼鏡を掛けている意味はあるのだろうか…?
「…何?」
「え、あ…ごめんなさい、」
不意に発された言葉に動揺した。
ちゃんと目は見えているんだな……
そんなことを思いながら言葉を続ける
「あの、これを…渡されたんですが」
「…?」
あの時に地図渡された地図を見せると
その人物は意味ありげに口元を歪ませた
「いいよ、入れば?」
にやりとほくそ笑む彼に後押しされ
屋上にゆっくりと足を踏み入れた