「僕はね、
欲しいものは何でも
手に入れたい主義なんだ。
――だから、
僕が君を逃がすことも
君が僕から逃げることも
不可能なんだよ」


ぴたり――…

鉄がぶつかる音が、
瞬時にして止んだ。

部屋に数秒の沈黙が走る。
それを破ったのは美月。


「あたしには、
自分の生活があるの…」