「病院に運ばれて、すぐに手術したの。
……でも、ダメだった。
血管が突然破裂しちゃう病気で、発見が難しいんだって。
今でも、クリスマスイブが怖いよ。
もしもあの時、ケーキを買ってきたら、お母さんは倒れなったかな、とか。
あたしがもっと早く119番すれば良かったのに、とか。
……色々考えると眠れなくなるよ」
あたしにも想像できた。
お母さんがいなくなる恐怖、悲しさ、そして後悔。
小学生の飛鳥が、どんな気持ちで救急車に乗ったのか。
無事を祈って病院で待つときの、あの泣きたい気持ち。
お母さんの無事を願った夜がクリスマスイブだったなんて……。
だから毎年、あたしと一緒にバカ騒ぎしていたかったんだね。