「まだ帰りません!

今日は帰らないって、約束してたんです。

優也にもそれは伝えてありました」


「……俺に会うって言ったの?」


「言いましたけど、多分理解できません。

だって優也はまだ2歳なんです」


「2歳!?」


「はい。可愛い盛りの弟です」


「弟!?」


やっと、あたしの顔を見てくれた。


「ええ。あたしとはかなり年が離れた弟が産まれました」


「じゃあ、姓が変わったのは……」


「母が再婚したからですよ」