お父さんの車とは全然違う乗り心地。

何だか目線がとっても低いの。

スポーツカーって感じのエンジン音。


……お母さんも昔、あたしの本当のお父さんとこうやってドライブしたのかな。


「セリカっていう名前、いいよね。

この車と同じなのは偶然?」


「いいえ、あたしのお父さんが乗っていた車の名前です」


「そっか。じゃあ、君も昔この車に乗ったことがあるの?」


あたしは首を振った。

何て説明しようか考えてたら、携帯が鳴った。


「ごめんなさい」


ひとこと断ってから、出てみると。