看護師長さんに伴われて病室にいたのは、間違いなく渡辺先生。

4年近く会っていなかったけれど、あんまり変わっていない。


渡辺先生もあたしを見て、一瞬、目を丸くした。


「ちょうど良かった、紹介しますね。

こちら、JICA(ジャイカ)から来て下さった渡辺さん。

スワヒリ語が堪能なんですって。

渡辺さんに通訳してもらって、ライラさんの入院承諾書と病衣レンタルの書類にサインしてもらいたいの。

それと、入院のしおりに書いていることも説明してください。

あと、困ったことはないか聞いてみて」


それだけ言うと、看護師長さんは他の仕事へ。


まさか、こんな場面で会うことになるとは……。