シャンプー台で、ごしごし。

まさか、初めて洗髪する患者さんが、ケニアの人だとは。


されるがままになっているライラさん、う~ん、これでいいかな?

『かゆいところはございませんか?』って、どう言えばいいの?


よくわからなかったので、とりあえず全部まんべんなく洗い流す。

よし、終了!


「えっと、フィニッシュ!」

「OK! アリガトウ」


あ、ちょっと日本語もしゃべることができるんだ!


さっぱりした表情のライラさんと一緒に、病室へ戻ると。


ベッドサイドに大きな男の人の姿があった。

あのガタイの良さ、ツンツンした髪の毛。

ずっと会いたかった人が、そこにいた……。