冗談で言ったのに返事がなく、不思議に思ったあたしは拓也の方をみた。




「拓也?どうしたの?」




拓也は額に手をあてて止まっている。




「あぁーーっ。どうして分かるんだよ!俺が王子様役やりたいって思っていたことが!」




あ、当たった!?
冗談だったのに・・・・




「なんでやりたいと思ったの?」




あたしは拓也の顔を覗き込み聞いた。




「それは・・・・そのぉ・・・」




視線をちらつかせ、言葉を濁す拓也。





「そのぉ、何?」




あたしはそんな拓也を急かす。