物凄い歓声に私がたじろいでいると、その北条院様とやらがこちらに振り向いた。
「…貴女は転校生の…、」
「あ、み、宮内です!」
そう言うと彼は満足そうに目を細めた。
…あれ?
なんで把握されてるのかな?
「やはりそうですか。先程シュウくんから伺いましたよ。」
成る程…綾崎くんか。
それにしても…綺麗な顔立ちだ。
属に言う…美男子、というか貴公子のようだ。
なっちゃんが言うには帰国子女で、お父さんがなんでも凄いお金持ちなんだそうだ。
品行方正な生徒会長…それはこの学校が素敵である秘密かもしれない。
なんたってファンクラブが出来るほどの人気なんだから。
男子からの信頼もあついようだ。
「おっと、私の挨拶がまだでしたね…北条院真人です。以後お見知り置きを」
微笑んでそう言うと、またも女子の黄色い悲鳴が聞こえた。
「…では私は次の授業があるのでこれで。…皆さんも早く準備しないと2時限に間に合いませんよ?」
「「「きゃぁぁ〜!真人様素敵です〜!!」」」
……大変なんだな、紳士っていうのも。
いけない、2時限が始まっちゃう!
私が急いで教室に戻ろうとすると、廊下にいた女子たちが凄い目で睨んできた。
…あ、北条院様とお話ししちゃったから!?
「ご、ごめんなさい!」
すぐ謝り、なっちゃんを引っ張って急いで教室に入った。
北条院様、色んな意味で凄い人だ……