＊原西祐斗Side＊

「失恋か…」
バーベキュー後
帰路につきながら
呟く。

「あっ。」
視界に入ったのは
夢丘だった。
ちょうど
土手みたいな芝生の
上に腰をおろしてる
彼女。

すると
向こうも
俺に気づいた様子
だったので
俺も
夢丘の隣に
腰をおろした。

「何してんだ?
こんなとこで。」
「別に。」

そう答えた
夢丘の声は
鼻声で泣いた後
みたいだった。

「失恋しちゃった。
まぁ
恋じたい始まって
ないんだけどね。」
「竜也の
こと?」
「そうよ。
見たの
バーベキューしてる
所でキスってた
でしょ。」
「あぁ。
まあ 俺も
失恋だけど」

「それもそうね。
私、彼女に
酷いことしたし
幸せに
なって
もらわなくちゃね。」
「たまには
いいこと言うじゃん」
「失礼よ。」

そのあとは
しばらく
二人で雑談を
してた。




愛梨ちゃんと
別れたけど
竜也が
彼女を泣かしたり
したら
絶対、奪い返す。

「覚悟しとけよ。
竜也!」