次の日,朝のHRのあと私は和哉の元へ行き,宏治と付き合うことになったと報告した。
「和哉は…宏治にも電話したんだよね?なんで私と宏治に,そこまでしてくれるの?」
そう尋ねる。
和哉は,今や私と宏治が恋人同士になったという報告に笑いながら軽い調子で答えた。
「だから,俺はただお前らにくっついてほしかっただけだよ。」
そこで私の怪しむ視線に気づいて,さらに先を続ける。
「お前らのこと放っとけなくてさ!好き合ってんの見えみえなのにどっちも不器用っつーか?」
そして困ったもんだと言わんばかりに私を見たので,私は和哉を軽く殴った。
「うるっさいなあ,もー!」
殴られたにも関わらず,和哉はにこりとした―こんな顔して笑えるんだって私が思ったくらい,優しい笑顔だった。
「よかったな!」
急に,照れくさくなった。
私は和哉の頬をぎゅっとつねりあげた。
「ありがとね」
―このときから,和哉は異性にも関わらず私の親友になった。