クリスマス,私は宏治と映画をみに行くことになった。もちろん,その日に何かしらの進展があることを期待していなかったと言えば嘘になる。というよりむしろ,何もないほうがおかしいような気もしていた。なんせ,クリスマスなのだから。
「そっか,誘われたんだ!」
クリスマスに宏治と会うことを伝えると,志甫はぱっと顔を輝かせた。
「それっていよいよだね!ていうか,クリスマスに告白なんて小林の奴もきざだねぇ。」
私は赤くなりながら首をぶんぶん振って否定した。
「まだ告られるって決まったわけじゃないし!!それに…きざって何なのさ!」
そんな私を志甫は面白そうに見た。
「まあ怒るなって!!あたしも彼氏がいて良かった!さもなきゃクリスマス独りで過ごさなきゃならないところだったもん。彩夏が小林と会うっていうからー。」