和哉とそんな話をした翌日。
登校途中、私は思わず重いため息を吐きながらマフラーに顔を埋めた。
昨日の夜の、"いつも通りの"宏治とのメールを思い出して、寒さにかじかんだ指先をさする。

いつも通り、宏治からは何のモーションもなかった。

私はこんな煮えきらない気持ちを抱えたまま、クリスマスを迎えるのだろうか?

考えただけでもぞっとするけれど、私から想いを伝える勇気なんて皆無だった。
思わず舌打ちしたくなるほど臆病な自分。

その時の私にとっては、クリスマスというイベントは心浮きたつわくわくするものでなく、まるで鉛のように私の肩を重くするものでしかなかった。