初めて放課後を一緒に過ごしたあの日から、私と小林くん―いや、宏治との仲は急速に深まっていったのだと思う。

宏治とはメールでも実際に言葉を交しても、飾らない素のままの自分でいられた。

それもやっぱり、いちばん最初に宏治の見せた笑顔が―魔法の笑顔が、関係していたのかもしれない。

私たちは月曜から金曜まで、毎日東階段で話をした。
そして私たちは、いつだって笑顔だった。

けれども、私たちが共有できる時間はほんの10分か―
長くても、15分。

宏治に部活があるから仕方ない。
それはわかっていたけれど、1ヶ月が過ぎた頃、私はそのことを淋しく思っている自分に気がついた。