内心残念に思いながらも、部活がある小林くんを引き止めるだなんてできるわけない。

私は笑顔をつくってうなずいた。

「気にしないで。部活…がんばってね!」

私の言葉に、小林くんは口角をきゅっと上げて、私をときめかせる笑顔を見せた。

「はい!あざっす」

それから一瞬目をそらしたが、すぐに私に視線を戻すとためらいがちに口を開いた。

「あの…これからもこうして会ってほしいんすけど。いい…ですか?」

まさに私がそうなればいいのに、と心の中で望んでいた展開。

私は小林くんのまっすぐな瞳をしっかりと受け止め、そっとうなずいた。

「私部活ないから平気だよ。小林くんさえいいなら」

「俺なら全然っ…本当にもうっ、大丈夫っす!」

私の言葉にぱっと顔を輝かせた小林くんが可愛くておかしくて、私は笑いながらその背中を押した。

「ほら、部活遅れちゃうよ」