(まともな服じゃん)


なんて、さえは思いながらロゴを見ると“Shi Sha”とかかれていた。


(ん? シー・・・)
 

(ヤバイヤバイ! あれ、シーサーだよ!)



拓也がボソッとさえに言う。


シーサー。 沖縄の名物。


二人は笑いを必死にこらえていた。



「あ、その服!」



正義は春海の“Shi Sha”Tシャツを指差した。



「今年の社員旅行で行った沖縄で、僕も買ったよぉ」


(もぉ~! いかにも!)


さえは笑いをこらえるのに必死だ。



「あ、そうなんですか? 私のはお土産でもらったんですけどね」


「僕は水色買ったんだぁ。 オソロのイロチだねぇ」



“オソロのイロチ”。 お揃いの色違いの略。



(ヤバイよアイツら。 マジおもしろい)


みんな遠巻きで笑いをこらえていた。