しばらくして、さえが言う。



「じゃあ、私はもう終わったので、お先に失礼しますね」



「え~、オレ残して帰るのぉ?」


(当たり前だろ)


にこにこ微笑みながらも、さえはキモイと思った。
しかしこの蜘蛛女。 一度自分にひっかっかった獲物は放さない。



「じゃあ、これあげます。 がんばってくださいね」


さえはバックから、食べかけのギャバ入りチョコレートを渡した。



「仕事の疲れが取れると思います」


「・・・」