「あ、もうお昼だ」

12時になり美紀子が言った。
正義に背を向け、平松と拓也の方をみる。


「わたし何か買ってきます」

美紀子が立ち上がると、親父の平松が言う。



「みきちゃんが行くならオレが行くよ」


「そんな、私が行きますよ」


「イヤイヤ、女の子に行かせるわけにはいかん!」


そこで拓也もいった。



「だったらおじさんにも行かせる訳には行きませんよ」


「イヤイヤ、かまわんよ」


「でも言い出したのは私だし」


三人は、誰が昼飯を買いに行くのかわいわい楽しそうに盛り上がりだした。