「じゃあ休憩にしようか」
12時になり、拓也はさえに言った。
「休憩は一時間。 コンビにで買ってきたものを食堂で食べてもいいし、ココでもいいし、どっかに食べに行ってもイイよ」
「はい」
そこで由美がさえに話し掛けた。
「どお? 疲れた?」
「はい、細かい作業が難しぃです」
さえは少し舌足らずな喋り方をする。
わざとではないだろうが、にこにこ微笑みながら答える彼女は結構バカっぽい。
「短大卒ってことは、21なの?」
「はい、そーです」
「若く見えるね」
「よく言われます★」
由美はさえを「なぜか」好きにはなれなかった。
さえには“作り上げたかわいさ”ではなく、“純粋にかわいいらしい”のがよく伝わってきたからだ。
由美はまだ今年の春に式をあげたばかりの人妻だが、並以上に男好きのぶりっ子女だった。
隣同士で一番拓也と話す機会の多い由美は、さえに拓也と自分は仲がいいというのを見せつけたくてたまらない。