(俺の馬鹿やロー! あーそういえばピーピーなんか音がなってきがする!)



なんで気付かなかったんだよ~! と自分を責めながらコンビニへ戻る。



(あ~・・・。 店員もぼっけ~としてたから、音なってても気付かないだろうな~・・・。 どうか盗まれてませんように)



走って店内に入り、ATMの前に来た。



(マジかよ!)



お金なんてない。 正義は店員の女の子に声をかけた。



「すみません! ATMでお金さっき下ろしたんですけど、あの、そのまま忘れて帰っちゃって・・・。 落し物で届いてませんか?」


「え・・・。 いえ、届いていません・・・」


「あ~・・・。 そうですかぁ・・・」



ショックだが、どうしようもない。 正義はヘコヘコ何度も浅くお辞儀をした。 そして仕方がなく、またお金を下ろす事に。



(おい! 誰が盗んだんだ?! そういえば臭そうな女がいた気がする! クソ! マジ事故って死ね!!!!)



盗んだと思われる犯人を怨む。 そして暗証番号を入力し、モニターに残高が写った。



(ん?!)



正義は目を見開いた。 画面に顔をぐいっと近づける。



(あ、あれれ?)



残高は、さっき下ろす前と何も変わっていない。 つまり一度でてきた一万円札は、また機械の中へ戻っていったのだ。 



(あ、あはは。 もしかして、お金出しっぱなしだと勝手に引っ込むのかな?)



正義、目が点になる。(実話)