「じゃ、僕もお先に失礼します」



英も正義に挨拶をしていった。



「置いていくのかよ~」


「アハハ・・・」



英は苦笑い。



「じゃ・・・」



そしてスタスタいってしまった。



正義はさえと2人になったのを見計らって、話し掛ける。



「また、居残りチームだね~」


「・・・そうですね」



にっこり微笑みかえしたさえは、仕事にとりかかる。



「ところでさ。 国枝さんって、春海ちゃんと遊んだりとかしてるの~?」



(もぉ! しつこい!)



早く終わらせたいのに、話し掛けてくるから進まない。 でも言えない。



「・・・遊んでますよ?」


「そ~なんだぁ。 あの子さぁ、メール送っても返してくれないんだよね~」


「あー・・・。 春ちゃんは返さないですよ」


「そーなの? 一度も帰ってきてないから、嫌われてるのかな~と思って~」



正義豆知識
その17


正義は平気で「自分は嫌われている」と、初対面の人にもいったりする。


しかしそれは、「そんなことないですよー」と言ってもらいたいんじゃなくて、傷つくのを最小限に止めるため、最初から自分のダメ押しをしておく。