9時。 職場へ出勤した正義。 事務所へ入ると、春海はやはり笑顔で挨拶をしてくる。



「おはようございます」


「あ、おはよ~」



とりあえずそれだけで一安心。 さっきまでの怒りも吹き飛ぶ。



(さ、今日も一日がんばりますか)



気合を入れなおし、仕事に集中した。



そしてまた一日が終わる。



6時30分を過ぎた頃、春海がさえに話し掛けていた。 



「終われそう?」


「ううん。 まだ帰れない」


「そっか。 頑張ってね」


「うん」



そこで春海は正義にもにっこり微笑んだ。



「お先に失礼します」


「いいなぁ~」


「あはははは!」



やはり春海はスグにウケル。



(いったい、春海ちゃんは何を考えているんだ?)



理解不能だ。


すると英もさえに話し掛けていた。



「手伝おうか?」


「ううん。 パソコン入力だから」


「そっか」


「ありがとね☆」



その光景を正義はうらやましく思った。 しかしチャンスだ。 自分もわざと仕事遅くやろ~と。