告ったヤツの顔、
だ~れも覚えていない。

みんな“へのへのもへじ”。

だけど、今はちがう。

沙南が
一生けんめい手紙書いてる姿、
目に浮かぶ。

しかも相手、俺だし。

ちょっと、前かがみになって、

シャーペンで
おでこをコツコツってこずきながら、
手紙を書いている沙南。

何度も消した跡、
たしかに手紙に残っているっ。

沙南は、俺を好きなんだ。

俺も! 俺も?

俺は、自分の心に問いかけた。

ずっと前から
モヤモヤしたキモチ、
沙南が絡むと
なぜかすっきりしない
俺のこころ・・・。

俺は、俺は・・・
沙南が好きなんだ!

だから、
沙南のことになると
落ち着かなくなる。