兄貴が何か言いかけたけど、
俺はとまらない。

「ちゃんと説明してみろよ!
俺は、容疑者なんだろ?
何でこんな仕打ち
受けなきゃいけないかの説明、
聞く権利あるよな?」

「祥平、落ち着け。」

「俺は、落ち着いてるよ!

さっき兄貴たちが
踏み込んで来た時からのこと、
俺なりに考えてみた。

でも、おかしいだろ?

俺の言い分は何にも聞かないで、
はなから警察は、
俺がドラッグの関係者だって
決めつけているみたいだった 。

だから、母さんは、
何も抵抗しないで 泣いていたんだ。

いつもの母さんなら、
うちの息子に何するのって
抵抗しそうなのに。」

俺は、ぐっと兄貴をにらんで続けた。

「兄貴、
いくら俺が中学生だからって、
ものの道理くらい理解できるけど?」

兄貴が口を開く前に俺は先を続けた。

「俺がドラッグを持っているって
通報があった。

しかも、俺が1週間も前に
もらった手紙に入っているって
ことまで 警察はつかんでいた。」

俺は、
話しているうちに
冷静になっていく自分に ちょっと、
驚いていた。