『最近は、
ドラッグの脅威が
中高校生にまで広がっていて・・・』

って、 道徳の特別授業で聞いた時も、
こわいなぁ~とか、
関わりたくないよな~とか、
一平たちと話していたけど、

自分たちには、
絶っ対かんけーないことだって
思っていた。

それなのに・・・
なんだよ、これ?

俺は、両手をきつく握りしめ、
肩を震わすことしかできなかった。

「祥平、入るぞ。」

しばらくして、兄貴が入ってきた。

兄貴の手には、
例の薄桃色の手紙が握られていた。

「祥平、この手紙の内容は、
事件とは何にも関係がないって
判断されたから、 おまえに返すよ。」

兄貴は、
下を向いたまま動こうとしない
俺のそばに そっと手紙を置いた。

ちらっと、
俺を見る兄貴の顔・・・

つらそうに見える。

そうだよな。