「沙南!いい加減にしな!!!」

後ろから、 地獄の鬼が吼えてる??

って思うくらい
迫力のある羽瑠の
ハスキーな声が響いてきて、
私の妄想は、 一瞬で吹き飛んだ。

「ご、ごめん・・・」

私は、あわてて動こうとして、
持っていたいすを
足の上に落としてしまった。

グゥゥワッワッツ!!!!

蛙の悲鳴??

みたいな奇妙な声を出して、
私は飛び上がった。

「はぁぁぁ~。
沙南、もういい!
どいてな。マジ、じゃま!!!」

羽瑠の怒り顔。

ちょ~コワッ。

「まぁ、まぁ。
大目に見てよ、羽瑠~。」

優衣がいすを運びながら
助け舟を出してくれた。

「そうそ!今日の沙南は、
な~んにも手につかないはずだからさ。」