今から思い返しても
冷たい言い方だったと思う。

でも、
そん時は、自分の気持ちを
抑えられなかったんだ。

「今回だけはって、
お前、 これで何回目??
お前は 俺への ラブレター配達人なわけ?」

俺の冷たい声に、
沙南は ビクッと肩をふるわせた。

手紙を差し出す指が
かすかに震えている。

「おねがいっ!!
もう、絶対 こんなことしないから!!
今回だけっ。
今回だけは、受け取って!!!」

チクショウ!!
沙南のヤツ、
俺に顔も見せないで頼みやがる。