このキモチは・・・って
考える間もなく、
耳まで真っ赤になりながら
頼んできた一平が 目に入って、
俺は思わずうなずいていた。

「あぁ・・・ うん、 わかった。
サナギを 呼び出せばいいんだな。」

「うん、頼む!!」

一平が俺に頭を下げた。

うれしそうな一平の顔を見ていると、
さっきのチクリを
俺は忘れてしまっていた。

イヤ、
胸の奥に
無理矢理しまったのかもしれない。

「でもさ、
佐久本のニックネーム、
何で、サナギなんだ?」

唐突に 一平が尋ねた。