奈々美に
絶対渡すって約束したんだから。

「またかよ?うぜぇ!!」

頭の上から
不機嫌な祥平の声がふりそそぐ。

やっぱり・・・

「あのっ!!
迷惑に思っているのは わかっているケド、
今回だけは 受け取ってほしいんだ。
おねがい!!」

私は、
祥平を見ることもできずに
頭をさげたままで頼んだ。

ほんとは、
こんなこと、したくない。

なんで自分の好きな人に
他人からの手紙 渡してんの、私。

優柔不断で、頼られたら、
イヤって 言えない。