「俺、女のこととか、
正直、面倒っていうか、
あまり興味なかったっていうか、
意識したことないっていうか・・・。

だから、 沙南のことは
ガキの頃から知っている
兄弟みたく思っていた。

いつもそばにいるのが当たり前で、
それは、昔も今も、
これからも変わらなくてって。

だけど、違ったんだ。

一平が沙南を好きで、
沙南に告るっていうのを聞いた時、
俺、心がモヤモヤして、
嫌な感じがした。

でも、あの時は、
まだ自分の気持ちに気づいてなくて、
そのモヤモヤがなんなのか、
わからなかった。」

一平は、じっと祥平の話を聞いていた。

「それがさ、 今日、
一平が沙南に告って、
二人が両想いで
つき合い出すって思ったら・・・
そんなこと絶対
認められないって思った。

それに沙南から手紙をもらって・・・」