「返事がないのが
祥平のキモチなんだって、
わかっているんだけど、
あきらめられないんだ、私。」

ブランコを
ゆっくり揺らしながら
奈々美は言った。

「・・・・・・・・。」

「だからね、もう一回、
チャレンジしようと思って。」

「チャレンジ・・・?」

私は、驚いて聞き返した。

「そう、明日の朝ね、
テニス部の祥平のロッカーに
もう一度、
手紙入れておこうと思って。」

私は、思わずブランコのくさりを
ぎゅっと握りしめた。

「でね、その時にね、
沙南にも立ち会ってほしいんだ。」

「えっ?」

私は思わず奈々美を見つめた。