沙南は、
公園のブランコに腰掛けていた。

今日の朝、
す っきりと晴れ渡った空を
見た時は とても気持ちがよくて、
激励会が楽しみだった。

でも、今は、
夕日にゆらぐ長い影のように、
私の心はゆれている。

うっ、ぐすっ、う・・・
目頭が熱くなる。

沙南は、
ブランコのくさりを
ぎゅっとにぎりしめた。

なんでっ! なんで、一平なの?

しかも、
それをお膳立てしたのが
祥平だなんて。

祥平は、
やっぱり私のことなんか
なんとも思ってないんだ。

祥平にとって私は、
ただの幼なじみ。

それだけなんだ・・・