奈々美は、学校へと向かっていた。

最後の仕上げ。

サロペットのポケットに
入っているドロップを
テニス部の祥平の
ロッカーに入れるだけ。

それで、ジ・エンド。

祥平も、
うちのテニス部もおしまい。

ふん!!
私は、なぁ~んにも、
悪くないからねっ!

私に目もくれない祥平が悪いんだ。

祥平の目に映るのは沙南だけ。

私がどんなに想っても、
祥平はふり向かない。

いっつも、
祥平の心の中にいるのは・・・

沙南だけ・・・

そう思いながら、
奈々美は沙南への憎しみを
膨らませていった。

沙南、あんな偽善者!
どこがいいの?