そんな・・・

そんなことって・・・

それじゃあ、
私が勝手に勘違いして 、
期待しただけなの・・・?

沙南は、
期待が大きかった分だけ
裏切られた気持ちが強くて、
ショックだった。

だけど、一平は、
そんな沙南の気持ちなんか知らない。

「そうなんだ。 俺、
祥平には感謝してる。
このお膳立てしてくれたの、
祥平だから。 佐久本、俺さ!」

一平が沙南の肩をつかむ。

一平ってば、
いつのまにこんなに近くに立ってたの?

でも、そんなことどうでもよかった。

「しょ、祥平がお膳立てを、した・・・?」