一平は、
そう自分にいい聞かせると、
沙南に近づいた。

「私、祥平がいると思って・・・」

納得できないって
気持ちが またまた
ことばになってでちゃった。

沙南はまだ
状況を飲み込めてなかった。

「えっ、なんで?
祥平がいるって思ったの?」

納得のいく答えをくれない一平に、
少しイラッときた。

「だって!ここに来てって言ったの、
祥平だから。」

ごめん、一平。

一平が悪いわけじゃないのに、
つい、
とげとげしたことばになっちゃった。

でも、一平は気にしてないみたい。

そういえば、一平、いつもと違う。

ちょっと、きょどってる?

「ああ、うん、俺が、
祥平にたのんで
佐久本を呼び出してもらったんだ。」

頭をかいて、
照れくさそうに一平が言った。

「えっ?じゃ、じゃあ、最初から、
今日ここで会う予定だったのは、
一平ってこと・・・?」