沙南は、フリーズしていた。

なんで・・・
一平がここにいるの?

祥平は・・・?

目の前で落ち着かない様子で
動き回る一平なんか、
沙南にはよく見えていなかった。

無意識に祥平を探す。

その気持ちが、声になった。

「祥平は・・・?」  

そう、ここで待ってるのは、
祥平のはずだよね?

それなのに、
なんで一平がいるの?

「えっ、祥平? 今日は、
いないよ? あいつ、用事があるって。」

どう切り出していいかわからず
困っていた一平は、
沙南の問いかけにほっとした。

大丈夫。

普段どおりにしゃべればいいんだ。

しゃべる前から
こんなに緊張してどうすんだ。

落ち着け、俺!!