沙南に会って、
一平よりも先に
自分の気持ち
伝えようとしている俺は、
今、 世界で最強かも。

何でもやれる気がする。

俺は、
慎重にパイプにつかまって、
そろりそろりと下に降りた。

俺の部屋の向いが
空き地になっていてよかった。

普段は、ほとんど人も通らない、
空き地の周りは
ちょっと高めの塀で
囲まれているから、
ぱっと見、 外から見えにくいし。

空き地を出ると、
人に会わないように
気をつけながら 学校に向かった。

学校までは15分。

俺、間に合うかな?

弱気な心が顔をのぞかせる。

いやいやいや!

今さらなに言ってんだ。