いつもなら
5分もかからない作業のはずなのに、
部屋の外の
警官に気づかれないように
動いているので、
何倍もの時間がかかった。

すでに1時間が
経ってしまったような気がした。

額からは汗がふき出している。

遠目にみると
ベットで人が眠っているみたいだ。

よし! 俺は、
満足してうなずくと、
机の上の出窓を開けた。

そっと頭を出してあたりを見回した。

だれもいない。

さすがに、
家の周りで
張り込みみたいなことは
してないらしい。

音を立てずに窓から出て、
横にあった
排水溝のパイプにしがみつくと、
ゆっくりと窓を閉めた。

片手で排水溝につかまりながら、
もう片方の手で
音を立てずに窓を閉めるのは
至難の業だった。

でも、
今日は難なくできちまった。

これって、恋の力?