それだけは、認められない!

一平、悪い。

沙南はだめだ。

沙南だけは、渡さない。

たとえ親友のお前にでも。

沙南は 俺のものだ!!

俺は、急いで部屋から
二階のろうかに出た。

階段を下りようとして、
立ち止まった。

下で母さんの声がする。

「ご苦労様です。
息子は、二階です。」

しまった! 遅かった。

「失礼します。
上がらせていただきます。」

警官の声がして、
二階に上がってくる
足音が聞こえた。

やばっ!
部屋から出ているのを見られたら、
ややこしいことになる。