教授に卒論を提出して、急いでヨシタカのいる学食へ向かう。



「待ったよね。ごめん。」

「平気です。これ、どうぞ。」



ヨシタカは私にココアをくれた。

まだあったかくて美味しい。





「で、なに?」

「シズク先輩、俺の弟のこと知りませんか?」

「は?弟君、家出でもした?」

「違います。知り合いですかって意味です。」

「知らないよ。ヨシタカに弟がいるのは聞いたことある気がするけど。
今の今まで忘れてた。」

「ですよね…。」



ヨシタカはそう言って唸りだした。

なに、こいつ。