「名前くらい許せ。」



ミドリ君はそう言って、私の頭をクシャクシャとなでた。



「ミドリ、また来る。」

「まいどー。」



少しずつ戻そう。

私が歪めた関係を。

壊された心を。



ミドリ君とは、今みたいな微妙な距離から元に戻りたい。

元彼は、もう思い出にして忘れていきたい。





星が出始めた街を、私は上を向いて歩いた。