「おばさん、最後になんだって?」
車を走らせながらミドリ君はそう聞いた。
行きみたいな微妙な空気はどこにもない。
「ミドリ君よりもカズ君のほうが好きだってさ。」
「…だろうな。おばさんは息子みたいに可愛がってはくれたけど、シズクの彼氏として歓迎されたことねぇし。」
「そうなんだ…。」
お母さん、高校時代の私は親不孝者だったね。
だからこそ、今お母さんに認めてもらえた彼氏を大事にするね。
「そうだ、カズ君。」
「何…?」
ミドリ君はまっすぐ前を向いている。後部座席、カズ君は緊張した表情。