まあいいや。
「ん~!空気が綺麗でいいところ。」
「シズク、ここに何しに来たの?ミドリさん教えてくれないからさ。」
なんだ。話さなかったのか…。
「ここはお母さんの療養地なの。何年かぶりに会いに来たんだよ。」
「重い病気?」
「ううん。ただ、都会の空気は汚いし…あまり体によくないから。もともと農業をやりたかったおじさま夫婦にお願いしてこの地に引っ越したの。私は大学があったし、向こうに残ったけどね。」
「そうなんだ。」
カズ君はやっとほっとした表情を見せた。ミドリ君は本当に何も話していないみたい。