「シズク先輩?」



大学に着くと、うしろから名前を呼ばれて振り返った。



「なんだ、ヨシタカか。」



声の主は旅行サークルの後輩、能代良貴だった。



「なんだ、って…先輩なかなか言ってくれますね。」

「ごめんごめん。」

「先輩、今度いつ来ます?
なかなか予定たたくて困ってるんですからー。」



ふたつ年下のヨシタカはしっかり者。



「いつか。予定ならメールとかでもいいでしょ?」

「いいですけど。先輩は今年が最後なんすからーなるべく来てください。」

「ハイハイ。」