どうやら、商談はうまくいったみたいだった。 私は部長の隣でニコニコしてただけ。 「じゃあ、僕は社に戻るけど、オチアイくんは帰宅してかまわないよ。また月曜ね。」 「はい。ありがとうございます。お疲れさまでした。」 私はタクシーから降りると、深々と頭を下げた。 そうか、もう金曜日か。 時間が経つのは早い。 私はそこから近い駅に向け、ヒールに疲れた足を無理やり動かした。