ちょうど一月下旬で、坂野も岩永も西谷も、恒世の動向を見張っている。


 何かを隠している、もしくはこれから仕掛けてくる可能性があると踏んで。


 一月の東京の街は一段と冷え込む。


「しばらくマル対を張ってろ」と通達してきたのが、捜査本部長に納まっていた西河なのだった。 


 坂野たちはしばらく恒世を張り続けている。


 何らかの形でボロが出るのを楽しみにしていて。


 一連の事件で傀儡(かいらい)のようにして裏で糸を引いているのが、この男だろうなと思いながら……。