「うん……いるよ」

悠里は涙を拭いながら、顔をぐちゃぐちゃにさせて笑った。

「俺は、ここにいる」

悠里の声が聞こえた絢音は、喜んで声を上げる。

「本当に、悠里だ!」

絢音は相変わらず、キョロキョロと落ち着きなく辺りを見回し続けた。

「……ごめん、あたしあんまり霊感ないから見えないや。どの辺にいる?」

「絢音のすぐ横」

これは映像だから霊感とは全く関係ないんだけど、と思いつつ、まぁいいかと笑って悠里はそのまま答えた。

「そっかぁ」

絢音は、悠里が見えないのが残念であるかのように肩を竦めた。
親友なら、幽霊でも怖くないのだろう。