絢音は、酔っているとは思えないほどの確かな足取りで家路を辿った。

寄り道もせずに自宅のマンションに着くと、足早にエントランスに入り、エレベーターに乗り込む。
悠里と天野は慌ててその後を追った。


絢音の部屋は5階だった。5階に着くや否や、絢音はエレベーターから飛び出し、部屋まで走った。
鍵を素早く開けてドアを開く。

絢音がドアを閉めてしまう間一髪のところで、悠里と天野は部屋の中に滑り込んだ。

部屋に入って落ち着いたのか、絢音はゆっくりと靴を脱ぎ、ふらふらと寝室へと向かう。

年頃の女性の寝室にまで入っていいものかと悠里は悩んだが、天野は容赦なく悠里の背中を押した。