……「別れる」って、

別れるって!!


すっかり拍子抜けした悠里は、へなへなと壁にもたれかかった。
緊張が解けた天野も、ふぅと息を吐く。

しかし、そんな2人をよそに、文弥と絢音の間の緊迫は続いていた。

「…なんで」

絢音が悲しげに文弥を見つめた。文弥は表情を曇らせる。

「……悠里のことがあって、俺、なんか悠里に申し訳ないような気がしててさ。あの後、悠里がずっと俺たちに気ぃ遣ってたのは知ってたけど、結局どうしようもできなくて……」

あの後、というのは、中3の夏の終わりに絢音が文弥に告白した後、ということだろう。